20歳前後を過ぎると人間の脳細胞が減少し始めることは知られています。このため、今でも多くの人は、「成人になると、脳機能はどんどん低下していく」と考えているようです。
しかし、近年、科学的には「脳の機能は年齢に関係なく強化できる」ということが、様々な研究で裏付けられています。たとえば、ピアノやバイオリンをやっている人は年齢を重ねても脳機能がしっかりとしている傾向が見られることが分かっています。
脳細胞が減っても脳が成長できる理由は、「脳内ネットワーク」にあります。脳の機能にとって決定的に重要なのは、脳細胞同士をつなげるネットワークの強さです。脳細胞同士が深く結びついていれば、頭の回転が速くなり、より創造的な力を発揮できるようになるということです。
では、脳細胞のネットワークを強くするには、どうすればいいのでしょうか。それには、「心地良い集中」を習慣的に体験することが効果的だと言われています。心地良い集中とは、脳が過剰なストレスを感じることなく、フル稼働している状態です。この状態を日々繰り返すことで、脳は活性化し、脳細胞間のネットワークが強化されていきます。
脳は筋肉と同じで、使えば使うほど鍛えられます。ピアノやバイオリンの演奏家の脳が衰えにくいのも、演奏中に指を巧みに動かすことで、脳が目いっぱい使われるかだと考えられています。音楽の演奏は「楽しいこと」なので、ムリなく集中力を保ちやすい面も見逃せません。
みなさんも、年齢に関係なく、脳を成長させましょう!